皆さんこんにちは！私の満身創痍のスポーツ遍歴からご紹介しましょう。


私は、中学～社会人まで陸上競技を嗜んできましたが、実は、競技者としてしっかり鍛錬できたのは、20才まで。20才以降は、膝の怪我に悩み、ほとんど練習も、勝負もできない身体になりました。


原因は、右膝半月板損傷。所見としては、病名はつくものの、、MRも、レントゲンでも、「うーん…しいて言えば…」と医師を悩ませる怪我でした。手術も何度も勧められましたが、「別にプロのスポーツ選手でもないし、あいまいな状態で手術するのは怖い！」という思いがあり、手術以外の方法での完治を目指してきました。


自分に合ったシューズを作ってみたり、鍼灸、整体、気功、カイロプラクティック、電気治療、オーリング、ホメオパシー…、滑りを良くするために膝にヒアルロン酸を注射したり。歯の嚙み合わせが痛みの原因かも！ということを知っては、四本の親知らずを迷わず抜歯しました。


良い病院・治療院のうわさを聞いては尋ねました。結構なお金と時間をつぎ込んだと思います。でも、一向に治らないイライラから、過食症に近い状態にもなって、、身体をボロボロにしました。試合前は、鎮痛剤と、筋肉注射で痛みを抑えました。でも、症状が出るときは出る。いつもバクチ状態。


結局、完治には至らず、仕事の転職をきっかけに競技から退きました。二度とスポーツに向き合うことはないだろうと、、正直、向き合うのもウンザリと思っていた自分が、しばらく経ってから『人生に張りがない』と、手探りで始めたのがアルゼンチンタンゴ。なのに、練習二回目で本場、アルゼンチンのブエノス・アイレスに渡航を決め、当時働いていた正社員の仕事をあっさり辞めてしまったのです。今思うと、「なんと無謀なことを…」と思うのですが、当時の私は違和感なく、突き動かされるかのように行動に移してしまったのです。


そして帰国後、タンゴを極めると思いきや、そんなことは全くなく(笑)、タンゴシューズを脇に置いて、道着を身に着け、なんと、武道と空手を始めてしまったのです。そして再び、試合に出るようにもなりましたが、その頃から、昔の陸上競技での苦い、そして悔しい様々な思いが蘇ってきてしまったのです。


身体の痛みはもちろん、特殊なスポーツの世界のシガラミが私の脳裏に焼き付いていました。そして「どうせまた駄目なんだ」という思いに苛まれるようになりました。
そんな頃でした…「包丁マッサージ」がとても気になり始めたのです。もともと自分のメンテナンスとして定期的に受けてはいましたが、やる側になりたいという思いは、特段ありませんでした。ですが、とにかく、気になって頭から離れない日々が続き、その思いは消えるばかりか、『刀療師になりたい』という強い思いは増すばかり。ついに、機会に恵まれ、学びをスタートさせてしまったのです。


そして、同時期、私は過去の辛い思い出をそのまま置き去りにしていた自分を認識せざるを得なくなりました。別に、プロの選手でもなければ、特段成績の良い選手でもありませんでした。「どうせ自分には才能が無い」という思いから、自分自身を蔑ろにしてきたのです。それに加え、あの、刺すような痛みからくるフラストレーション。『あぁ、まだ解決できてないんだ』と、しまい込んでいた数々の思い出が噴出しはじめたのです。


自分の肉体、そして思考と向き合うことになりました。稽古に向き合えず、どこか逃げている自分を痛感しながらも、様々な自分の側面をフラットに見つめる時間を持てました。これも「刀療」のおかげだと思っています。


だからこそ、心や体の病やを起こす東洋医学でいう「邪気」の考えは、自分の経験を通して、なるほど！と、思うことが多いです。悪意や嫉妬・ネガティブな感情などもこの邪気に入ります。強すぎる感情も邪気となり臓腑を傷つけることになりかねません。ですから、はやり陰陽のバランスというのはとても大切であり、気持ちの”氣”まで、ピシャリと整えてしまう、包丁マッサージが、人々を魅了したのも理解ができます。


”心身”と言われるように、心と身体は絶対に密接にかかわっています。今だから思うことですが、膝の怪我がなおらなくても、上手に付き合う、めげずに進む気持ちさえあれば、当時の私は、また違った側面で競技を捉えることができたかもしれません。


私たちは日々の人生の中で様々なことに悩んでいます。一つ一つの出来事は小さな事、そんな大袈裟なこともないし、人生よくある事だ…と思うかもしれません。私自身もそうでした。でも、『塵も積もれば山となる』。いつしかそれが毎日のルーティンとなって、自分の前提条件となり、私たちの人生を支配してしまうのです。


慣れというものは恐ろしいもので、自分では良くない状態が当たり前のようにも思えてしまうのです。そんな様々な負のループを解消し、一人でも多くの方が真の喜びに向かえるようサポートができたらと思っています。